IDE-JETRO 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所
       
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 1 人口センサス
(1) センサスの実施と所蔵状況
  メキシコの第1回人口センサスは、ポルフィリオ・ディアス政権期に創設(1882年)された統計局(Dirección General de Estadística)により 1895年に実施された。以後同国では今日まで人口センサス(Censo General de la Población y Vivienda)が10年に1度、通算12回実施されてきた。さらに1990年代に入ってからは、急速な社会人口学的変化に対応するために中間センサスが実施されるようになり、1995年と2005年に人口調査(Conteo de la Población y Vivienda)が実施された。表1(PDF)のとおり、アジ研図書館では、全ての実施年の人口センサスを所蔵している。第1回から第6回までの初期のセンサスは米国議会図書館(Library of Congress)作成のマイクロフィルムを入手し所蔵しており、全巻を当図書館のマイクロ資料閲覧コーナーで、閲覧・複写(一般20円/枚 学生・賛助会員10円/枚)できる。
   
(2) 調査方式
  人口センサスの調査方法と調査項目は回を重ねるたびに少しずつ改編されてきた。例えば1895年調査は、自計申告で記入された質問票を回収し集計したもので、住居、年齢別人口構成、出生地、職業、国籍、言語に関する統計データが、州ごとに纏められ、刊行されている。その後1930年調査で、調査員による面接調査方式が初めて採用された。調査員が各世帯を訪問し、聞き取り調査の結果を世帯単位の質問票に記入する方法が採用されたのは1960年で、以降今日までメキシコのセンサスはこの方法で実施されてきた。ちなみに1960年の質問票の準備にあたっては、当時、米州統計局(Instituto Intramericano de Estadística)が推進していたアメリカ両大陸センサスプログラム1960(Programa para el Censo de las Américas, 1960)からの技術指導を受け、調査方式の標準化が図られた。2000年調査には国立統計地理情報院(Instituto Nacional de Estadística Geografía e Informáticaの指揮の下で449,658名(このうち聞き取り調査員は262,351名)にのぼる人員が携わり、メキシコ全世帯(在住外国人を含む)を対象とする調査を行った。この人数からもセンサスがいかに大規模な国家事業であるか窺い知れよう。
   
(3) 近年の調査項目の特徴
  2000年調査の集計結果は人口、出生力、死亡率、移住、先住民言語、宗教、教育、医療サービス、障害、配偶関係、雇用、世帯構成、家屋の計13のテーマ別に編纂され、全国版と各州版(全32州)が冊子体とCD-ROMの形態で刊行されている。1990年と2000年の質問表の項目数を比較すると、1990年の18に対し、2000年では29と、大幅に増えている。2000年調査の特徴としては、医療保障サービスへの加入状況、居住する家屋の水道サービスの有無、ゴミの回収など、社会サービスに関する質問事項が増えたこと、先住民言語を尋ねる項目に加え、個人の主観的な民族への帰属意識についての項目が追加されたことなどが挙げられる。
 
 2.農業センサス
(1) センサスの実施と所蔵状況
  メキシコでは、第1回農業センサスが1930年に実施され、その後1935年と1940年にエヒードに対象を絞ったセンサス(Censo ejidal)が実施された。初期に調査が頻繁に実施された背景には、メキシコ革命後、農地改革が国家事業として掲げられたため、政府がエヒードの調査により農地改革の進捗状況を把握する必要があったからと考えられる。
表1(PDF)のとおり、メキシコの農業センサスは原則的に10年に一度実施されてきた。ただし、近年は、1991年に農業センサス実施後、2001年にエヒードのセンサスが実施されたものの、農業セクター全体を対象としたセンサスは、1991年以降しばらく実施されなかった。しかし、2007年7月にエヒードのセンサス(IX Censo ejidal)が、同年10月~11月に農林畜産センサス(VII Censo agrícola, ganadero y ferestal) が実施され、その成果(Censo agropecuario 2007)の刊行が待たれている。
   
(2) 近年の調査方式と調査項目の特徴
  例えば1991年農業センサスを例に挙げると、まず準備段階で、農地改革省(Secretaría de Reforma Agraria)、各種生産者組合、過去の調査等の記録から地籍図および調査対象となる生産者の名簿作成が行われた。調査は、各市町村のコーディネーターが直接指揮し、それを各地域の長、さらにそれを各州のコーディネーターが統括するという地方分権化された体制で実施された。調査テーマは、農業、畜産、林業、農業融資・保険、生産者団体、労働力、生産者団体への加入状況、車両・トラクターの保有状況、農林畜産業以外の活動の10に大別される。調査対象は、メキシコ全土の都市および農村で農林畜産業を営むすべての農家、事業体、およびエヒードであった。
 
 
 
 
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